「過去問は何周すればいいですか?」
国家試験の勉強をしている学生から、
よく出てくる質問です。
2周。
3周。
5周。
周りが何周しているかを聞いて、
焦っている人もいるかもしれません。
では、
少し質問を変えます。
その過去問、答えを覚えていませんか?
何周したかより、
私はここの方が気になります。
- 3周目になると、当然正答率は上がります
- 「正解を知っている」と「解ける」は違う
- 本番では「見たことのある問題」だけが出るわけではありません
- 過去問は「答えを覚える教材」ではありません
- 間違えた問題だけ復習すればいい?
- 「解説を読んで分かった」でも終わらない
- 問題集を何周したかが目標になっていませんか?
- こんな状態なら、一度やり方を確認してほしい
- もう一つ見てほしいのは「問題文の意味」
- 同じ不正解でも、原因は違います
- だから「何周すれば受かりますか?」には答えられません
- 保護者の方へ|「問題集を何周した」は進み具合の一部です
- はぐもぐでは「○か×か」だけを見ません
- 10月、「もう一周」の前に確認してみてください
- 今の勉強方法で進んでいいか分からない人へ
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3周目になると、当然正答率は上がります
同じ問題を繰り返していれば、
正解できる問題は増えていきます。
それ自体は、
悪いことではありません。
繰り返すことで、
知識が定着することもあります。
ただし、
正答率が上がった理由が、
「理解できるようになったから」
とは限りません。
問題文を見た瞬間、
「あ、これ答え②だった。」
となっていないでしょうか。
それでも、
問題には正解できます。
○がつきます。
正答率も上がります。
だから、
勉強が進んでいるように見えます。
でも、
少し違う聞かれ方をしたらどうでしょう。
「正解を知っている」と「解ける」は違う
例えば、
4つの選択肢から正しいものを選ぶ問題で、
②が正解だと覚えていたとします。
その問題には、
正解できます。
では、
「どうして②なの?」
と聞かれたら、
説明できるでしょうか。
さらに、
「①はなぜ違う?」
「③だったら、どこを直せば正しくなる?」
と聞かれたらどうでしょう。
ここで答えられないなら、
その問題は、
まだ十分に使える知識になっていない可能性があります。
本番では「見たことのある問題」だけが出るわけではありません
国家試験では、
過去問とまったく同じ問題だけが出題されるわけではありません。
知っている内容でも、
聞かれ方が変わる。
選択肢が変わる。
複数の知識を組み合わせる。
資料や状況から判断する。
そうなると、
「この問題の答えは②」
という記憶だけでは対応できません。
必要なのは、
その問題で何を問われているのかを理解していること
です。
過去問は「答えを覚える教材」ではありません
私は、
過去問の大きな役割の一つは、
国家試験で何を、どのように聞かれるのかを知ること
だと考えています。
つまり、
過去問を解く目的は、
正解の番号を覚えることではありません。
この知識は、
こういう形で問われるんだ。
ここは区別できないといけないんだ。
この数字は覚える必要があるんだ。
この言葉の意味を理解していないと解けないんだ。
そういうことを、
問題から拾っていきます。
間違えた問題だけ復習すればいい?
「間違えた問題は解説を読んでいます。」
それも、
もちろん必要です。
でも、
もう一つ見てほしいものがあります。
たまたま正解した問題です。
二択で迷った。
よく分からなかったけれど選んだ。
消去法でなんとなく当たった。
それでも、
採点すると○です。
間違えた問題だけを復習していると、
こうした「危ない正解」が残ります。
私は、
正解・不正解だけではなく、
なぜその答えを選んだのか
まで見ることが大切だと思っています。
「解説を読んで分かった」でも終わらない
間違えた。
解説を読む。
「ああ、そういうことか。」
分かった。
次へ進む。
これも、
よくある勉強です。
でも、
翌日、
同じ内容を何も見ずに説明できるでしょうか。
解説を読んでいるときは、
理解できたように感じやすいものです。
でも、
国家試験では、
解説を見ながら答えることはできません。
だから、
解説を読んだあとに、
一度閉じてみる。
そして、
「結局、この問題では何を覚える必要があった?」
と、
自分に聞いてみる。
ここまでできると、
ただ解説を読んで終わるより、
自分が本当に理解できているか確認しやすくなります。
問題集を何周したかが目標になっていませんか?
「10月までに3周する。」
「年内に5周する。」
目標として、
周回数を決めている人もいると思います。
期限を決めること自体が、
悪いわけではありません。
でも、
いつの間にか、
周回することそのものが目的
になっていないでしょうか。
早く次へ進みたい。
だから、
解説を軽く読む。
○をつける。
次の問題へ。
すると、
問題集は進みます。
でも、
知識が残っているとは限りません。
国家試験で必要なのは、
問題集を終わらせることではなく、
本番で問題を解ける状態を作ることです。
こんな状態なら、一度やり方を確認してほしい
過去問を何周もしているのに、
模試になると点数が取れない。
初めて見る問題に弱い。
問題集では正解できるのに、
先生に理由を聞かれると説明できない。
少し文章が変わると分からなくなる。
前に勉強した内容を、
数週間後には忘れている。
もし当てはまるなら、
「まだ周回数が足りない」
と決める前に、
過去問の使い方を確認した方がいいかもしれません。
もう一つ見てほしいのは「問題文の意味」
国家試験対策をしていると、
知識不足ばかりに目が向きやすくなります。
でも、
実際には、
問題文に出てくる言葉の意味が分からず、
問題を解けていないこともあります。
何を聞かれているのか。
どんな条件が書かれているのか。
どの言葉が判断のポイントなのか。
ここを読み取れていなければ、
知識を持っていても答えにつながりません。
だから、
間違えたときには、
「知らなかった」で終わらず、
どこで解けなくなったのか
を見る必要があります。
同じ不正解でも、原因は違います
例えば、
同じ問題を間違えた2人がいたとします。
一人は、
必要な知識を覚えていなかった。
もう一人は、
知識はあったけれど、
問題文を読み違えていた。
結果は、
どちらも×です。
でも、
次にやるべきことは違います。
知識不足なら、
覚える必要があります。
読み取りの問題なら、
さらに暗記量を増やしても、
同じ間違いをするかもしれません。
×の数だけでは、勉強方法は決められません。
だから「何周すれば受かりますか?」には答えられません
過去問は何周すればいいですか?
この質問に、
「3周すれば大丈夫」
「5周すれば安心」
とは、
私は答えません。
1周でも、
一問一問を理解して、
必要な知識を整理できている人もいます。
何周しても、
答えだけ覚えている人もいます。
必要なのは、
周回数の基準ではなく、
その問題から何を身につけられたか
です。
保護者の方へ|「問題集を何周した」は進み具合の一部です
お子さんから、
「問題集3周したよ」
と聞けば、
かなり勉強が進んでいるように感じると思います。
実際、
繰り返し勉強していること自体は、
努力の一つです。
ただ、
国家試験への準備状況は、
周回数だけでは判断できません。
模試など、
初めて見る問題でも知識を使えているか。
以前間違えた内容が、
できるようになっているか。
本人が、
なぜ間違えたのか把握できているか。
こうしたところも、
大切になります。
はぐもぐでは「○か×か」だけを見ません
はぐもぐで学生の問題演習を見るとき、
正解したか、
間違えたかだけでは判断しません。
なぜその答えを選んだのか。
問題文をどう読んだのか。
どこまでは分かっていたのか。
どの言葉で止まったのか。
答えを覚えていただけではないか。
そこまで見ていくと、
「知識がないと思っていたけれど、実は別のところで止まっていた」
ということもあります。
だから、
必要な勉強も、
一人ひとり変わります。
10月、「もう一周」の前に確認してみてください
過去問を1周した。
2周した。
3周した。
次は、
もう一周。
その前に、
一度確認してみてください。
問題を見た瞬間、
答えの番号を思い出していないか。
正解の理由を説明できるか。
他の選択肢が違う理由を考えられるか。
たまたま正解した問題を放置していないか。
解説を閉じても、
必要な知識を思い出せるか。
少し聞かれ方が変わっても、
答えられそうか。
もし、
「何周もしているのに模試では解けない」
のであれば、
必要なのは、
さらに同じ問題を繰り返すことではないかもしれません。
今の勉強方法で進んでいいか分からない人へ
はぐもぐのスタート診断は、
何点取れたかだけを見るテストではありません。
今、
どんなふうに問題を解いているのか。
どこで止まっているのか。
今の勉強方法を続けてよいのか。
何を修正する必要があるのか。
それを整理するためのものです。
「問題集は何周もした。」
「勉強もしている。」
「でも、模試になると取れない。」
そんな状態なら、
努力をさらに増やす前に、
今の勉強が、本当に『解ける力』につながっているか
一度確認してみてもいいと思います。
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書いた人

都谷森うらら
歯科衛生士国家試験専門・パーソナル伴走型サポート「はぐもぐ」代表。
2014年に歯科衛生士資格を取得。歯科医院での臨床、行政の保健センター、歯科衛生士の教育・育成、マネジメントなどを経験。
現在は、歯科衛生士国家試験を目指す受験生に対し、現在の学習状況を見立て、必要な学習設計と伴走を行っています。



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