歯科衛生士になったらどんな働き方ができる?歯科医院だけではない歯科衛生士の仕事

「歯科衛生士になったら、ずっと歯科医院で働くの?」

歯科衛生士を目指している学生さんの中には、

そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。

もちろん、

歯科医院は歯科衛生士の代表的な勤務先です。

私自身も、

歯科衛生士としてのキャリアは歯科医院から始まりました。

でも、その後は行政の保健センターで働き、

歯科衛生士の教育やマネジメントに関わり、

現在は歯科衛生士国家試験を目指す受験生を支援する仕事をしています。

歯科衛生士になったとき、

今の働き方を想像していたわけではありません。

だから、

国家試験の勉強が苦しくなっている学生さんには知ってほしいことがあります。

歯科衛生士の資格を取った先にあるのは、一つの働き方だけではありません。


歯科衛生士の代表的な働き方は「歯科医院」

まず、一番イメージしやすいのが、

歯科医院や歯科クリニックで働く歯科衛生士です。

患者さんの口腔内を確認し、

歯周病の予防や管理を行ったり、

歯磨きやセルフケアについて伝えたり、

歯科診療を支えたりします。

私も最初は歯科医院で働きました。

学校で習った知識が、

実際の患者さんと結びついていく場所です。

国家試験では、

疾患、解剖、生理、歯周病、公衆衛生など、

本当にたくさんのことを勉強します。

学生のときには、

「こんなに覚えて何に使うの?」

と思うこともあるかもしれません。

でも臨床に出ると、

それまで「問題を解くための知識」だったものが、

少しずつ、

目の前の患者さんを見るための知識

に変わっていきます。

ここは、

歯科衛生士として働き始めて面白いと感じた部分の一つでした。


病院で働く歯科衛生士もいます

歯科衛生士が働くのは、

街の歯科医院だけではありません。

病院の歯科・口腔外科などで働く歯科衛生士もいます。

入院している患者さんの口腔管理や、

手術を受ける患者さんへの対応など、

一般的な歯科医院とは違った役割を担うことがあります。

高齢者や全身疾患のある患者さんなど、

口の中だけではなく、

全身状態も考えながら関わる場面もあります。

「歯科衛生士=歯石を取る仕事」

というイメージだけでは、

実際の仕事の広さは分かりません。


行政で働く歯科衛生士

私は歯科医院を経験したあと、

行政の保健センターでも働きました。

行政に歯科衛生士がいること自体、

知らない学生さんもいるかもしれません。

行政では、

一人の患者さんを診るというより、

地域の人たちの健康を支える

という視点が強くなります。

乳幼児から高齢者まで、

さまざまな年代の人に関わります。

健康相談や健康教育、

地域の事業、

関係機関との調整など、

歯科医院とは違った仕事があります。

私自身も、

住民の方への相談対応や健康教育だけでなく、

事業の運営や調整、

一緒に働く歯科衛生士の業務調整や育成などにも関わりました。

同じ歯科衛生士という資格でも、

歯科医院とは見える景色が大きく違いました。


高齢者や介護の分野でも歯科衛生士は関わります

高齢になると、

「むし歯や歯周病を防ぐ」だけではなく、

食べることや飲み込むこと、

口腔内を清潔に保つことなども重要になります。

そのため、

介護施設や高齢者施設、

訪問歯科診療などで活躍する歯科衛生士もいます。

患者さんが歯科医院まで来るのではなく、

歯科医師や歯科衛生士が患者さんの生活している場所へ出向くこともあります。

国家試験でも、

高齢者歯科や摂食嚥下、

全身疾患、

介護などを勉強します。

学生のときには別々の科目に見えるかもしれません。

でも、

仕事に出ると、

それらの知識が一人の患者さんの中でつながっていきます。


子どもや地域の健康教育に関わることもできます

歯科衛生士の仕事には、

「治療を受けに来た人に関わる」

だけではない仕事もあります。

乳幼児健診。

学校や地域での歯科保健活動。

子どもや保護者への健康教育。

こうした、

病気になる前の段階から人の健康に関わる仕事もあります。

私は行政での仕事や健康教育を経験する中で、

「どう説明すれば伝わるのか」

を考える機会がたくさんありました。

専門知識を持っていることと、

相手に伝えられることは別です。

これは現在、

学生に国家試験を教える仕事にもつながっています。


歯科衛生士を「育てる側」になることもあります

経験を積んでいくと、

新人歯科衛生士の教育や、

スタッフの研修、

チームのマネジメントに関わることもあります。

私自身も、

歯科衛生士の育成や研修、

業務調整などに関わってきました。

臨床技術だけではなく、

人に教える。

業務を整える。

チーム全体を見る。

そうした能力が求められるようになります。

歯科衛生士になったからといって、

ずっと同じ仕事だけを続けなければならないわけではありません。

経験を重ねることで、

役割が変わっていくこともあります。


「教える仕事」に歯科衛生士の経験を使うこともできます

そして私は現在、

歯科衛生士国家試験を目指す学生への教育にも関わっています。

国家試験の問題を解説する。

理解できていないところを確認する。

勉強方法を考える。

学習状況を見ながら計画を修正する。

臨床で患者さんを担当していた頃とは、

仕事の内容が大きく変わりました。

それでも、

これまでの歯科衛生士としての経験は、

今の仕事にもつながっています。

国家試験の知識だけを知っているのではなく、

その知識が資格取得後にどう使われるのかを知っていること。

これは、

受験生に関わるうえでも大切だと感じています。


歯科衛生士の資格を使って、自分で仕事をつくることもできる

これは、

私自身が歯科衛生士になった頃には考えていなかった働き方です。

現在私は、

歯科衛生士国家試験専門のパーソナル伴走型サポート「はぐもぐ」を運営しています。

「歯科衛生士になったら、

どこかの歯科医院に就職する。」

私も最初はそうでした。

でも、

働きながら経験を積み、

勉強し、

興味のある分野が変わっていく中で、

今は自分で仕事をつくる側になりました。

もちろん、

歯科衛生士になれば誰でも独立できる、

という話ではありません。

必要な知識も、

経験も、

事業を運営する力も必要です。

でも、

資格を取った瞬間に、自分の将来の働き方が一つに決まるわけではない。

これは知っておいてほしいと思います。


私自身も、歯科衛生士だけを勉強してきたわけではありません

歯科衛生士として働く中で、

私は日本福祉大学の医療福祉経営学部でも学びました。

歯科衛生士の資格を取ったあとに、

別の勉強をすることもできます。

歯科衛生士として働きながら、

新しい分野を学ぶ。

資格や経験を組み合わせる。

そして、

少しずつ自分の得意な領域をつくっていく。

そういうキャリアの作り方もあります。

「歯科衛生士になったら一生これをする」

と、

学生のうちから決めなくてもいいと思っています。


歯科衛生士になりたいか分からなくなっている人へ

国家試験の勉強が続くと、

嫌になる日もあると思います。

覚えることが多い。

模試の点数が上がらない。

周りと比べてしまう。

「そもそも私は、本当に歯科衛生士になりたいのかな」

と思うこともあるかもしれません。

そんなとき、

今見えている歯科衛生士像だけで、

将来を決めなくてもいいと思います。

歯科医院で働くことが合う人もいます。

病院で働きたい人もいます。

高齢者に関わりたい人もいる。

地域保健が好きな人もいる。

教育に興味を持つ人もいる。

マネジメントが得意になる人もいる。

そして、

まだ何がしたいのか分からない人もいます。

それでいいと思います。


国家試験の勉強は「選択肢を持つための途中」

私は、

「歯科衛生士は素晴らしい仕事だから、絶対に頑張って国家試験に合格してほしい」

とは言いません。

仕事には、

合う・合わないがあります。

歯科衛生士の仕事にも、

大変なことはあります。

でも、

もし今、

「国家試験がつらいから」

という理由だけで、

歯科衛生士になる意味まで分からなくなっているのであれば、

一度、

国家試験の先にある仕事

を見てみてほしいと思います。

今勉強していることは、

国家試験で点数を取るためだけのものではありません。

その先で、

どんな働き方をするのか。

どんな人に関わるのか。

どんな歯科衛生士になるのか。

その選択肢を持つために、

今は国家試験があります。


保護者の方へ|歯科衛生士になった先も、一つの道だけではありません

お子さんが国家試験の勉強で苦しんでいると、

保護者の方も、

「本当にこの道でいいのだろうか」

と思うことがあるかもしれません。

歯科衛生士という資格を取ったからといって、

一つの職場、

一つの働き方だけを続けなければならないわけではありません。

私自身も、

歯科医院、

行政、

教育、

人材育成、

そして現在の国家試験支援と、

働き方を変えてきました。

学生の今、

将来の仕事をすべて決める必要はありません。

まず資格を取得して、

働きながら自分に合った道を探していく。

そんな選択もあります。

国家試験の勉強だけを見ていると、

どうしても目の前の点数に意識が集中します。

でも、

その先には、

もっと長い歯科衛生士としての人生があります。


最後に

国家試験の勉強をしている今は、

「合格すること」がとても大きく見えると思います。

もちろん、

国家試験を越えなければ歯科衛生士としてスタートすることはできません。

だから、

今やるべき勉強から目をそらすことはできません。

でも、

国家試験はゴールではありません。

歯科衛生士として働くための入口です。

今、

将来やりたいことが決まっていなくてもいい。

歯科医院しか思い浮かばなくてもいい。

私自身も、

資格を取ったときには、

今の仕事を想像していませんでした。

まず、

歯科衛生士になるという選択肢を自分の手に持つこと。

その先で、

自分に合った働き方を探していけばいい。

国家試験の勉強が苦しくなったときには、

その先にある景色も、

少しだけ思い出してもらえたらと思います。


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書いた人

都谷森うらら

歯科衛生士国家試験専門・パーソナル伴走型サポート「はぐもぐ」代表。

2014年に歯科衛生士資格を取得。歯科医院での臨床、行政の保健センター、歯科衛生士の育成・マネジメントなどを経験。日本福祉大学 医療福祉経営学部卒業。

現在は、歯科衛生士国家試験を目指す受験生に対し、現在の学習状況を見立て、必要な学習設計と伴走を行っています。

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