「歯科衛生士国家試験は、浪人すると合格率が下がるの?」
「一度不合格になったら、次も難しいのだろうか」
国家試験の再受験を考えたとき、合格率が気になるのは自然なことです。
歯科衛生士国家試験は、全体の合格率が90%を超える年が続いています。
しかし、新卒者と既卒者では、合格率に大きな差があります。
この記事では、直近5回の国家試験結果を比較し、数字から分かることと、数字だけでは判断できないことを整理します。
【最新5年】歯科衛生士国家試験の新卒・既卒別合格率
第31回から第35回までの合格率を比較すると、次のようになります。
| 試験回 | 全体 | 新卒 | 既卒 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 第31回 2022年 | 95.6% | 97.4% | 66.1% | 31.3pt |
| 第32回 2023年 | 93.0% | 95.2% | 38.2% | 57.0pt |
| 第33回 2024年 | 92.4% | 95.1% | 44.8% | 50.3pt |
| 第34回 2025年 | 91.0% | 94.3% | 40.6% | 53.7pt |
| 第35回 2026年 | 94.5% | 97.2% | 62.5% | 34.7pt |
※全体合格率は歯科医療振興財団の公表値。新卒・既卒別の数値は学校別合格状況に基づく既存集計値であり、原資料との最終照合が必要です。
※「既卒」は卒業済みの受験者を指します。すべてが過去に国家試験で不合格となった再受験者とは限りません。
合格率の比較から分かる3つのこと
1.全体の合格率だけでは実態が見えない
第35回(2026年)の全体合格率は94.5%でした。
この数字だけを見ると、多くの受験者が合格している試験だと分かります。
しかし、新卒者と既卒者を分けると、合格率には大きな違いがあります。
そのため、再受験を考える人が全体合格率だけを参考にするのは適切ではありません。
2.既卒者の合格率は年によって変動する
直近5回の既卒者の合格率は、38.2%から66.1%の範囲で推移しています。
第34回の40.6%から、第35回は62.5%へ上昇しました。
つまり、既卒者の合格率を「毎年約50%」など、一つの数字で説明することはできません。
3.既卒者の合格率は新卒者より低い
直近5回では、いずれも既卒者の合格率が新卒者を下回っています。
これは再受験を考える人にとって、軽視できない事実です。
ただし、この差が生まれる原因まで、合格率の数字だけで分かるわけではありません。
なぜ浪人生・既卒者の合格率は低いのか?
新卒者と既卒者の合格率に差がある理由を、統計だけから特定することはできません。
ただし、浪人生の学習環境を考えるうえで、確認したい点はいくつかあります。
学校での学習機会が減る場合がある
卒業後は、学校の授業や定期的な模試、教員との面談など、学習状況を確認する機会が減ることがあります。
そのため、自分で学習計画を立て、進捗を確認する必要性が高まる人もいます。
仕事と勉強の両立が必要になる場合がある
浪人中に働く人もいます。
確保できる学習時間が限られる場合は、何を優先するかという判断が重要になります。
前回の不合格原因を整理できていない場合がある
「去年は勉強時間が足りなかった」と考えていても、実際には知識の理解や記憶の定着、問題文の読み取りなどに課題があった可能性があります。
原因を確認しないまま同じ方法を続けると、必要な改善ができないことがあります。
ここで区別したいこと
以上は浪人生の学習で考えられる課題であり、合格率の差を統計的に説明した原因ではありません。
「浪人すると合格できない」は本当?
いいえ。既卒者にも合格している人はいます。
ただし、過去の合格率を見ても、再受験だから次は大丈夫だと考える根拠にはなりません。
反対に、既卒者の合格率が低いからといって、個人の合格可能性をその数字だけで判断することもできません。
現在の学力、学習状況、試験までの期間、生活環境などによって、必要な取り組みは異なります。
集団の合格率と、自分自身の学習状況は分けて考える必要があります。
浪人生が再受験に向けて見直したいこと
合格率を確認したあとに考えたいのは、「自分もこの数字に当てはまるのだろうか」ということだけではありません。
それよりも、今の勉強方法が前回の課題に対応しているかを確認することが大切です。
- 前回の国家試験で、どの分野を多く失点したか
- 失点の主な原因は知識不足か、理解不足か、それ以外か
- 現在の勉強方法は、その原因を改善できるものか
- 模試の結果に応じて学習計画を修正できているか
これらの判断が曖昧な場合は、勉強時間を増やす前に、現在の学習状況を整理する必要があるかもしれません。
浪人生は独学と塾、どちらを選ぶべき?
浪人生だからといって、全員に塾が必要なわけではありません。
自分の課題を把握し、計画を立て、必要に応じて修正できるのであれば、独学も選択肢になります。
一方で、前回の不合格原因を整理できていない場合や、学習計画の判断に迷っている場合は、第三者の支援を検討する価値があります。
大切なのは、授業を受けること自体ではなく、今の自分に必要な支援を選ぶことです。
まとめ|合格率は現実を知るための数字
歯科衛生士国家試験では、新卒者と既卒者の合格率に大きな差があります。
この差を軽く考えるべきではありません。
一方で、合格率だけで自分の結果を予測することもできません。
再受験に向けて考えたいのは、去年と同じ勉強方法を続けてよいのかということです。
必要な知識が不足しているのか。
勉強方法に改善の余地があるのか。
学習計画を見直す必要があるのか。
合格率を知ることは出発点です。その数字を見たあと、自分の状況をどう判断するかが重要です。
今の勉強方法を、続けてよいか判断できていますか?
はぐもぐのスタート診断では、現在の学力や学習状況を確認し、国家試験に向けて必要な取り組みを見立てます。
点数や合否を判定するためのテストではありません。
スタート診断について詳しく見る →診断後、必要な条件や支援内容をご案内します。合格を保証するものではありません。
この記事を書いた人
都谷森 うらら(とやもり うらら)
歯科衛生士国家試験専門オンライン個別指導「はぐもぐ」代表。
これまで延べ150名以上の受験生の指導に携わり、現在は学習状況の見立て、学習設計、継続的な修正を重視した国家試験対策を行っています。

コメント